3歳までの教育 --書評-- 幼稚園では遅すぎる
教育というのは流行りがありその時代の影響を色濃くうけるもので、この本も古く感じる点も多かったが、普遍的な子育て・教育の本質の参考になる点もあった。
ところどころに出るエンジニアならではの表現、たとえば0~3歳までの脳細胞の発達をしてコンピュータのトランジスタ間の配線に例えたりするあたりに、エンジニアとしての矜持が垣間見れた。
幼稚園では遅すぎる 新装版 (サンマーク文庫 G- 108)
- 作者: 井深大
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2008/07/16
- メディア: 文庫
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子供を持つ身として当然教育は考えざるを得ないのだが、割と参考にしている本としてSally Wardの"語りかけ育児"がある。
この本は、
- 静かな環境で1on1で子供とお話する時間を毎日少なくとも30分はとる。
- 子供に言わせたいことを強いるのではなく、子供が発した発言を親が繰り返したり、そうだねーxxxだねー、というように同調する。
ことの重要性を繰り返し説いている。
0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ」育児
- 作者: サリーウォード,Sally Ward,槙 朝子,汐見稔幸
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2001/06/26
- メディア: 単行本
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この語りかけ育児の影響か、井深教育論で心にひっかかった話も似たような点に落ち着いた。
- 大人が無意識にしている行為が、子供のフレームを決めてしまっている(創造力を抑えてしまってる)可能性がある。
"つまり、「絵はどんな大きさで描こうというところからはじまる」というのです。それなのに、親や幼稚園や保育園の先生たちが与える画用紙というのは、みな同じ大きさに切ってあり、めいめい勝手に自分の好きな大きさの紙を取ってくることができないのです。幼稚園などでは、画用紙は最初から机の上に配られています。"
- 親の子育ての役割は、子供にきっかけを与えること。あとはそれを邪魔しないこと。
"この段階での母親の最大の役割は、いかに子どもに興味をもたせるかにつきます。計算を教えるのではなく数に興味をもたせる、絵や字を教えるのではなく書くことに関心をもたせる、いわば、教育の準備段階の部分を受けもつのが、母親の役割といえましょう。"
- オスワルト(ドイツの化学者で『偉人論』著者)の言葉:「天下は暗示と本によってつくられる」
"彼らにとって本というものは、親から与えられるものではなく、手を伸ばせば届くところに置いてあるものだったのです。彼らが親から聞かされた言葉は、「偉くなれ」という強制ではなく、「おまえならきっと偉くなる」という暗示だったのです。"
ほんすじではないが、オオカミに育てられた子供アマラとカマラの話を引き合いに教育の必要性を訴える箇所が頻繁に出てきたのだが、真実かどうかという議論もあるテーマでゴリ押ししているのでムズがゆくて仕方がなかったw
3歳までの教育の重要性は100%同意なんだけど、 2人目の子はどうしても語りかけの時間がなくなっちゃうんだよなー。上の子がいないときか寝ている時しか静かな時間がないという圧倒的現実。。